都市国家シラクサの将軍として軍を統括する事となったヒエロン将軍は、旧主であるエピロス王ピュロスとカルタゴとの戦いにより荒廃したシチリアの治安回復に尽力する事となる。
ピュロス王のシチリア撤退後、シチリア島西部にその侵略基盤を回復させたカルタゴ軍のさらなる東進をたくみに排除しながら、シラクサ周辺地域の秩序を次第に回復させていくヒエロン将軍の声望は、市民の間で次第に高まりつつあった。シラクサの人々の目には、元侵略者の手先であったという過去は、既に忘却の彼方へと過ぎ去っていた。
ヒエロン将軍の立場を決定的にしたのは、それから6年後の紀元前269年の事である。
既に混乱から回復したシラクサに対して、シチリア北東部を勢力下とした傭兵団マメルティニによる略奪が激化したのだ。
傭兵団マメルティニはシラクサ北部の田園地帯を襲撃し、略奪と暴行、虐殺を繰りかえした。惨劇の凶報は、直ちにシラクサ議会へともたらされる。カルタゴによるシチリア侵略と共に、最も悩ましい問題の一つと言えるマメルティニへの対処であるが、この時のシラクサ議会は即座にヒエロン将軍へと一任する。
シラクサ議会はこの時既に、義父レプティヌスの支援を元に政治的地盤を確立させ、純軍事的に全軍を掌握しているヒエロン将軍の行動を追認する機関と化していたのだ。
シラクサ内部に敵はなし。しかしながら外部に目を向けると強大なカルタゴと無法者集団である傭兵団マメルティニと、厄介な敵ばかりが存在する感があるが、ともかくヒエロン将軍は出陣した。
■登場人物
・ヒエロン将軍
元エピロス王ピュロス旗下の将軍であったが、シラクサ市民の要請に
答えてシラクサに残った将軍。義父レプティヌスは資産家で、シラク
サ議会に強い力を持っていた。
■登場人物
・ヒエロン将軍
元エピロス王ピュロス旗下の将軍であったが、シラクサ市民の要請に
答えてシラクサに残った将軍。義父レプティヌスは資産家で、シラク
サ議会に強い力を持っていた。