弟 :レムスとぉ~
兄 :ロムルスの「双子のお茶会」のコーナーを始めるぞ
弟 :ちょっと兄さん、タイトルコールは二人でやろうってあれほど言ったのに!
兄 :んっ? そうだったか。すまぬな、許せ
弟 :(すっとぼけたふりをしているね、兄さん!?)
兄 :では、このあたりでシチリア島の状況を整理しておこうか
弟 :あぁ・・・判ったよ兄さん。いま、シチリア島は不安定な状況になっているよね。それはシチリア島北東部の港町メッシーナを占拠した傭兵団マメルティニが原因だよね。
兄 :そうだ。彼らはもともとシチリア南東部に国を構えるシラクサのアガトレスク王に仕えた傭兵達だ。アガトレスク王の死後、シラクサ議会によって切り捨てられた事をきっかけにして、メッシーナを拠点とし、シラクサと敵対するにいたった。
弟 :それでもただの傭兵団程度なのに、なんで倒せないのかな?
兄 :それはシラクサが1世紀以上に渡ってカルタゴとシチリア島の覇権を競って戦っていたことにある。早くから海洋に乗り出し、地中海をほぼ制していた海洋国家カルタゴにとって、シチリア島は補給の為の港としても、地中海の完全制覇のためにも必要だった。故に、古くからシチリア島へ軍を派遣している。
弟 :我らがローマは、まだ海に到達していないというのに。
兄 :そうだ、比べるべくもない。紀元前314年時点では、カルタゴはシチリア島の3つの拠点ヘラクレイア、ミノア、ヒメラ、そして島の西1/3を手中におさめた。その時シラクサは東部全ての都市において支配が認められていた。
弟 :シラクサってただの都市国家だと思っていたけど、結構凄いね!
兄 :しかし、エピロス王ピュロスがシラクサの加勢のふりをしてシチリア島にやってきた結果、散々シチリア島を荒らしまわって撤退した後に残されたシラクサの支配地域は、島の南東部と1都市タウロメニオンだけとなった。
弟 :うわっ、ピュロス王は何しに来たんだよっ! イタリアでもシチリアでも、そしてマケドニアでも不幸な結果しか残らないよね、このひと。強いのに・・・
兄 :そんな状況で、シチリア島北東部の有力都市メッシーナを手中にしていたマメルティニは、シラクサと同様にカルタゴとも距離をとった。第三勢力として、シチリア島における勢力バランスを均衡させてしまった。
弟 :なるほど、迂闊に手を出すと残りの1つから攻撃される。結果、均衡を崩せない。
兄 :しかし、この均衡は仮初でしかない。カルタゴは強大な海洋国家で、アフリカ本国から幾らでも兵を増強できる。しかし、シラクサは追い詰められている状況であり、マメルティニからも嫌がらせを受けている。この状況は長くは続かないな。
弟 :そうか! その為にも早くマメルティニを駆逐してシラクサ東部に対する支配を取り戻して、カルタゴと対峙したい筈だよね。
兄 :だが、そんな行動をカルタゴは許さないだろう。カルタゴもまた、この均衡を早く終わらせたいと考えている。その結果が、ミラッツォの戦いだ。マメルティニの策謀に乗ったふりをして、シラクサだけでなくマメルティニの力を弱めようと画策したが、シラクサ、いやヒエロンが気付いて回避したな。
弟 :このヒエロンって武将、何気に凄い人なのかな?
兄 :ヒエロンはもともとピュロス王と親戚関係ゲロン一門の出身だ。若くして戦いの功労で将校となり、賢明さと気高い人柄から軍内部でも人気が高かった。それ故か、ピュロス王がシチリアを去る際、シラクサの市民から強い要望によって残ることになったのだから、たいしたものだろう。
弟 :そんな人でも、この状況を覆すのは難しそうだね。
兄 :そうだな。その辺りの話は本編に託すとしよう。それでは次回より章を変えて、「第2章:第一次ポエニ戦争~海を越えて~」をお待ち頂きたい。
セクストゥス:うわっ、楽しみだねぇ~
双子:いたのかよっ!
双子のお茶会《第3回:古代文明紹介編2》
Author: 遼進 /
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